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インアウトバランス 正常値(小児・高齢者・術中術後・心不全)・異常の身体所見とは?

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インアウトバランス 正常値とは?

インアウトバランスは水分出納バランスともいわれていて、輸液管理で需要になっています。
インアウト(IN/OUT)バランスという意味です。体内に入る量・摂取量がINPUTで、体外に排出される量排泄量がOUTPUTで、外来手術や一時的な点滴については厳密に計算する必要はないといわれます。
1日の必要水分量は、尿量と 便と不感蒸泄から代謝水を引いたものといわれています。一般に身体機能に異常がない場合の1日の排泄量は、尿量が1,400mL、便が200mL、不感蒸泄が700mL、代謝水が350mL
とすると、1日の必要水分量は1,500+200+900-350となり、1,950mlです。
看護の記録でのインアウトについては多くはプラス+になります。それは、不感蒸泄はインアウトには書かないためです。インは、輸液量と輸血量、食事量と内容、食事以外の飲水量、輸液以外の注射や内服水分量のことをいいます。アウトは、尿量と出血量、排液量、便の量と性状ドレーンやドレーンバック内の各種排液量やガーゼなどの浸出液の量や性状をいいます。
分出納というインアウトバランスの正常、異常の判断基準ですが、一日だけでなく一週間の平均が必要といわれ、一般に心臓や腎臓に重篤な疾患のない場合なら、少々のプラスバランスやマイナスバランスは気にしなくてもいいといわれています。
しかし、患者によります。一日プラマイ700mlなどのトータルバランスでも気にしなくてもいい場合もありますが、すぐに医者に報告すべき場合もあり、患者さんの疾患などにもよるといわれます。いずれも次のポイントとあわせて因アウトバランスを考えていくことが大切だと考えられます。例えば、心疾患の患者さんの場合、:利尿剤による効果で尿の出すぎや、効果不足で貯留傾向にないかどうかが観察ポイントとされます。腎疾患の場合の観察点は尿の生成に困難さが見られるかどうかや、尿量減少や浮腫がないかがポイントといわれます。糖尿病患の観察点は口渇の訴えや、多飲傾向に無いかどうかが観察される必要があるとされます。

小児でのインアウトのバランスの異常値

栄養状態や体液や電解質バランスは、患者の自覚症状として表れることは少ないといわれていて、症状として異変が現われた時には手遅れだといわれることも多いといわれています。栄養状態に異常があると、疾患や病状、創部などの回復が遅れる原因にもなるといわれ、また、体液や電解質に異常があれば、心負担が増えたり、腎臓疾患などの内臓疾患の原因になるといわれています。
そのような状態を明らかにするため、血液検査や尿検査といった生理学的検査を行うことが必要です。明らかな電解質の異常や栄養状態が悪いということになると、患者さんの身体的症状として現れることもあるといわれており、子どもの患者さんの訴えから、その検査データと合わせながら検証することも必要とされます。
栄養状態・体液・電解質のバランスについてアセスメントを行う時に、看護師は採血や尿検査によって検査データを得るための検体を採取します。そうした場合に、採血技術や採尿技術を行うだけではなく、患者さんやその保護者の方への説明も必要とされていきます。
例えば、Na(ナトリウム)が上昇すると体液が体内保持されるよう身体が働き、高血圧や浮腫の原因となります。Naの低下は心不全や腎不全、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症などがあります。
Cl(クロール)は体内水分量調節やPH調節に関わっており、Clが上昇すると、脱水症や過換気症候群、腎不全が、Clが低下すると嘔吐、下痢、肺気腫や肺炎、腎疾患などが原因といわれます。
カリウム(K)は神経や筋肉の働きを調節したりしています。Kが高いと腎不全、糖尿病、アジソン病など、Kが低いと嘔吐や下痢、利尿剤の副作用や呼吸不全が原因といわれます。
Ca(カルシウム)は骨や歯の形成や神経伝達、血液凝固に関わっています。Caが高いと悪性腫瘍、多発性骨髄腫、骨代謝異常などが、低いと甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍、サルコイドーシスなどが原因といわれます。
子どもに対してアセスメントを行う場合には、小児の1日に必要とされる水分量が体重によって変わることを知っておくことが大切です。例えば、体重10㎏未満の子どもなら、100×体重㎏で水分量があらわされます。体重10㎏以上20㎏未満の小児なら、1000+50×(体重㎏-10)という計算式で水分量を求めます。体重20㎏以上なら、1500+20×(体重㎏-20)という量で表わされ、水分量の単位はmlを用います。例えば、体重が15㎏の小児なら、計算式②を使います。1000+50×(15-10)=1250ml が1日の必要水分量と考えられます。

高齢者のインアウトバランスと必要な1日の水分量と排泄量

高齢者にとって脱水は認知症周辺症状の悪化や、生命を脅かす恐ろしいものです。脱水症予防には、インという水分の摂取だけでなく、アウトという排泄量にも注目して考えていくことが大切です。
高齢者が1日に必要とする最低限必要な水分摂取量としては命の水という考え方があります。人は呼吸や皮膚などから、一日、体重1kgあたり、約20mlの水を蒸発させており、これは不感蒸泄とよばれます。そのため、体重60kgの人なら、20ml×60kgという計算式で、約1200mlとなります。1200mlの水量が、高齢者の方の最低限必要な水分量と言われ、命を支えているので、命の水といわれるのです。
高齢者は、感覚機能低下により口渇については訴えない人もいますので、脱水予備状態といわれたりして、適時、水分補給が必要で、1日に必要な水分量の目安としては、皮膚・肺などの不感蒸泄が700~1,000ml、尿は1500ml、糞便が250mlくらいで合計が2,400~2,800mlとされています。
高齢者は一日最低1,300mlの水や牛乳、ジュース、お茶などを摂取する必要があると言われており、しっかり水分を摂取する必要があるといわれています。インとアウトはおおよそ均等なので、水分摂取したものは、同じくらい排泄されると言われ、これがインとアウトのバランスといわれます。記録をチェックすると、インとアウトのバランスが取れているかが確認できます。
排尿は老廃物を体外に出す働きがあり、人が1日に体内で作りだす老廃物が体外に捨てられるために必要とされる尿量は、健康成人の場合、800mlくらいといわれますが、高齢者は尿の濃縮力が低下しているため、1日当たり約1,000mlの排泄量が必要といわれます。水分を控えている高齢者は尿量が減っていれば体外に老廃物を排出され切れていない可能性が高いといわれます。
食事からの水分摂取量は栄養士との相談で、それぞれの施設で大体の数値計算を行っておくことも重要です。高齢者は1人1人状況が違います。マグネシウム系下剤を摂取している場合、水分を多めに摂る必要があります。座位が取れずに寝たきりに近い場合は、排泄量が多くなる方もおり、水分を多く摂る必要があるといえます。心疾患や腎疾患などで水分制限が必要な場合もあり、個人の1日あたりの目標水分摂取量については、担当医や看護師との相談が大切です。脱水症予防は高齢者の状況に応じ、必要な水分量を知ることから始まるといわれています。

体液・電解質バランス異常の身体所見

・体液・電解質バランスについて
暑くなっているこの時期に怖いのが脱水や熱中症です。熱中症には体液や電解質バランスのアセスメントが大切といわれています。
身体を構成している成分のほとんどが水分で、水はたんぱく質や脂肪、糖質、電解質などの溶質を溶かします。肺胞ガス交換や体温調節だけでなく、栄養吸収や代謝や老廃物の除去といった様々な生命維持に必要とされる物質の運搬はこの体液によって行われています。
生命維持に特に重要なのが電解質です。電解質は、体内環境調節機能をもち、特に恒常性維持というホメオスタシスに重要なのです。
ホメオスタシスの維持、すなわち恒常性の維持は、体内の環境を一定に保つことで行われています。そのためには体液量や浸透圧、酸塩基平衡などが重要なのです。例えば、塩辛いものを食べるとのどが渇きます。
これは、体液量が関係しています。通常、体液は水分出納のINという摂取と、OUTという喪失のバランスで一定に保たれています。しかし、年齢や性別、体重、病歴などで電解質バランスは変わるといわれています。例えば、糖尿病や大腸炎、腎疾患といった疾患は体液、つまり電解質バランスを崩しやすくなるのです。そして、糖尿病は急性合併症の誘引リスクとなるのです。また、薬歴も関係しています。高血圧治療で利尿剤の服用があると排尿量は多くなります。利尿剤に限らず、薬の主作用や副作用は電解質に大きな影響を与えるといわれています。
高齢者の方はこのような持病を持つ方が少なくないのです。また、高齢という点でもバランスを崩してしまうリスクは高いといわれています。また、腎濃縮力の低下として、尿が黄色にならないという場合や、渇中枢の機能低下で、身体はバランスを崩しているのにのどが渇いていることが完治されにくいということも注意が必要です。
このような状態に加え、認知症などの症状がある場合には自己管理はなかなか難しいといえます。体液バランスが崩れた場合、酸塩基平衡に服愛が生じるといえますが、酸塩基平衡が崩れることで、体力消耗のみならず、精神活動低下が招かれてしまい、生命リスクが高まるといわれています。そのため、体液バランスや電解質バランスのアセスメントやケアが重要といわれているのです。

・体液・電解質バランスの異常の身体所見
体液・電解質バランスの異常が起こっている場合には身体所見が見られます。介護職員の採血による血液検査ができない以上、体液や電解質バランスの異常を発見することが大切になります。そこでその体液・電解質バランスの異常が起こっている時の身体所見についてご紹介します。

■皮膚
○皮膚の場合
皮膚の紅潮や乾燥が見られると体液欠乏の兆候といわれます。また、次のように皮膚弾力性の変化を見ることもできます。皮膚弾力は間質液量の変化を反映しており、前腕部や胸骨部をつまんだりすると確認できます。体液欠乏があると皮膚はつママれた状態を数秒維持しますが、この方法は弾力性が低下している高齢者には不向きとされます
○浮腫
顔面や手指、下肢の細胞間質液量増加があると浮腫が出ます。眼窩周囲の浮腫は著しい体液貯留を表わし、前頸骨部を押して圧痕があれば、少なくとも3Lくらいの体液貯留がある可能性があるといえます。
○舌のしわ
下のしわは体液欠乏をあらわします。

■神経系
○意識レベルの変化
意識レベルの辺かは、血漿浸透圧の変化や血漿Naの異常によって生じたりし、症状は変化速度や程度で決まります。
○不穏や錯乱
体液欠乏は酸塩基平衡バランス以上によって生じます。

■胃腸系
○食欲不振、悪心、嘔吐

食欲不振、悪心、嘔吐は急性体液欠乏や体液過剰で生じます。
○口渇
浸透圧の上昇や体液欠乏があると口が渇きます。

心不全への輸液療法とインアウトバランスと水分制限が必要な理由について

・心不全について
心不全は体液量は不足しているわけではなくて、むしろ過剰な状態となっています。 これは、心拍出量の低下で、動脈側に送り出す血液量という有効動脈容量が減少したことが原因となっているのです。有効動脈容量減少により、腎血流量が低下し、結果として身体は水分不足と判断して起こっているのです。
そのような時、交感神経系、レニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)や抗利尿ホルモン(ADH)が活性化して、水とナトリウムの再吸収が促進されて、細胞外液量が増加してます。しかし、細胞外液量が増えてもやはり有効動脈容量は増えないので、さらに再吸収が促進されてしまう悪循環になっています。
心不全で溜まった水分は、まずは静脈内に溜まり、静脈圧が上昇します。すると、水分は血漿から細胞間質に移動し、浮腫や胸水として貯留されます。左心室の上流に水分が溜まると左房圧が上昇し、左心房に続く肺静脈の圧も高くなって、肺うっ血につながることもあります。
この心不全が重症化した場合、末梢まで血液が届かず、低灌流になります。そして、不全では、低ナトリウム血症の合併もよくみられるといわれています。多くは、身体中のナトリウムが減るのではなく、再吸収が進むことで見かけ上の低ナトリウム血症となっています。
そのため、心不全では低灌流の所見として脈圧低下や交互脈、四肢冷感、傾眠、低ナトリウム血症、腎機能悪化などが、そして、肺うっ血の所見として起座呼吸や副雑音のような臨床症状が現れるのです。

・体液量過剰の状態である心不全
体液量過剰の状態である心不全では、輸液を行うことで体液量増加を招き、病態悪化につながる場合があります。そのため、基本的には積極的な輸液は行われません。しかし、心拍出量の低下や電解質異常がある時はその改善のために輸液を行うとされています。
また、薬剤や栄養を投与するための静脈ルートを確保する目的のために輸液が行われる場合もあります。
体液量過剰となっている心不全では、インとアウトのバランスから投与愛用や量を検討することが大切といわれます。また、急激な血圧低下に対しては強心薬や血管収縮薬を使用していきます。

・インアウトバランスと水分制限が必要な理由
心不全でプラスバランスという排出不足となると、皮下組織に体液貯留がおこり浮腫や胸水貯留による呼吸器症状などが現れて、心不全悪化につながります。そのため、インアウトバランスをチェックして、水分制限や利尿剤追加や、食事内容変更や塩分制限食が行われます。

術中・術後のインアウトバランスの考え方と正常値

・術中のインアウトバランスについて
術中はメスで切ったり、洗浄したりするという手術侵襲で局所炎症反応が起こります。この時、血管内の水分が外に出て浮腫になるといわれています。術直後は水分を体の中に入れたとしても、尿になりにくく、プラスバランスに傾く場合がほとんどといわれ、手術中も利尿剤を使うことが多いのはそのような理由からです。しかし、その後炎症が収まるとだんだんと水分が血管内に戻っていきます。術後のこの時期は利尿期と言われ、この時期には大体マイナスバランスとなります。
この利尿期を過ぎると大抵500mLくらいのプラスバランスが通常になるのです。それは不感蒸摂があるからと考えられています。

・侵襲期のインアウトバランス管理
術後管理においては、INオーバーがほとんどで、手術内容によるため一概にいうことは難しいのですが、これは術中の不感蒸泄や出血に対して十分な輸液や輸血が行われるからです。
術後の侵襲期は、水分が血管外に出るため、多めに水を入れようされているのです。それが術中から術後の考え方なのです。
そのメカニズムとして、血管外に出た水分が、サードスペースに移動し、傷を治すために白血球からさまざまなサイトカインが放出されたり、リンパ球が炎症部位に誘導されたりするのです。通常は閉じている血管壁細胞にすき間ができて、水が血管外に逃げやすくなるのです。血管壁透過性が亢進し、傷を治そうとしてアルブミンというタンパク質なども多く使われますので、血管内の水分量はさらに低下するのです。

・利尿期のインアウトバランス管理とサードスペース
細胞内液がファーストスペース、細胞外の細胞外液は、血漿・間質液を含めてセカンドスペースといわれます。通常なら、本来あるべきところにある水分ですが、体が侵襲を受け、体内にはない場所に血漿や間質液が染み出します。その外に出た水分が貯留する部位がサードスペースです。
侵襲期を経過し、血漿量が増えて、タンパク質が体内で合成されれば傷が治癒し始めます。この時期にサードスペースの水分は細胞外液に戻ります。この現象がリフィリングと呼ばれ、リフィリングが起こることで腎臓への血流も多くなって、尿の排泄が始まるので、利尿期とよばれるのです。

・体液とサードスペース
利尿期は、アウトオーバーの時期で、不必要な水分は尿として体外へ排出されます。さもなければ肺うっ血になるリスクもあり、そうなると呼吸困難になったり、傷が治りにくくなったりしますので、アウトオーバーで、体液のバランスを正常の状態に戻すことが必要です。

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